アロワナなどの大型肉食魚は迫力があって、憧れの存在ですよね。
ただ一般家庭では大型肉食魚を飼育できるような大型水槽を置くスペースはありませんし、管理も大変です。
そこでここでは一般的な60センチ水槽でも飼える肉食魚として、ポリプテルス・セネガルスを紹介しましょう。
アクアリウム初心者でも管理しやすい小型かつ丈夫な魚なので、入門としてもピッタリです。
この記事の内容はYouTube動画でもまとめています。
あわせてご覧ください。
まずはポリプテルス・セネガルスについての紹介と、お迎えする前の注意点について解説してきます。
学名 | Polypterus senegalus senegalu |
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最大体長 | 50センチ(野生) 30センチ(ブリード) |
寿命 | 10〜15年 |
ポリプテルスの仲間はアフリカの淡水域に生息している、古代魚の一種です。
古代魚とは一般的に、絶滅した魚から姿かたちを変えずに現存している魚のことを指します。
ポリプテルスも4億年前のデボン紀にいた祖先から、あまり形を変えずに生き残っている貴重な魚です。
見た目はウナギやドジョウのような細長い身体ですが、背びれが小離鰭(しょうりき)と呼ばれ多数の棘があるのが特徴的です。
ポリプテルスの仲間は観賞魚としても根強い人気がありますが、特にポリプテルス・セネガルスは、
という点でアクアリウム初心者でも飼いやすいポリプテルスと言えるでしょう。
以上のように飼いやすくてオススメの古代魚であるポリプテルス・セネガルスですが、お迎えするにあたって注意してほしいポイントもあります。
それはポリプテルス・セネガルスが小魚などを食べる肉食魚であるということ。
つまりネオンテトラなど他の小型熱帯魚と混泳させるのは難しいのです。
また他の肉食魚とも共食いになってしまう危険性があるので、基本的には単独での飼育がオススメです。
また餌も肉食魚用のフードや生き餌を与えることになるので、水が汚れやすいです。
したがってろ過フィルターは強力な上部フィルターや外部フィルターを用意してください。
さらに詳しい飼育環境については、以下で解説しています。
ポリプテルス・セネガルス飼育のための水槽などについて解説してきます。
セネガルスはポリプテルスの中では小型ですが、それでも体長20センチ以上になります。
したがって水槽も60センチ規格のサイズを選んだほうが良いでしょう。
60センチ規格だと奥行きが30センチあるので、成魚になっても余裕があります。
奥行き30センチというと今流行りの30センチキューブ水槽も当てはまりますが、30センチキューブ水槽では水量がやや少ない印象です。
肉食で水を汚しやすいポリプテルス・セネガルスの場合、水量が多いほうが安心です。
肉食魚かつフンも大量に出すポリプテルス・セネガルスですから、ろ過フィルターは強力なものを選びたいですね。
ろ過能力が高いフィルターとして上部フィルターと外部フィルターがありますが、私は上部フィルターをオススメします。
上部フィルターはメンテナンスが簡単というメリットがあるうえに、水槽の上に置くことでフタ代わりにもなります。
力が強く飛び出し事故の多いポリプテルスには、上部フィルターがベストの選択でしょう。
また成魚になると水を汚しやすくなるので、上部フィルターに加えて投げ込みフィルターを導入すると安心です。
特にフィッシュレットという投げ込みフィルターは、セネガルスのフンを効率よく回収してくれるのでオススメです。
ポリプテルスを飼っている人は、ガーネットサンドなどの底床を敷いていることが多いですね。
特にデルヘッジやエンドリケリーなどのポリプテルスでは、体色を出すために底床があったほうが良いそうです。
ただセネガルスに関してはそれほど体色にこだわる人はいないでしょうから、何も敷かないベアタンクが無難ですね。
ベアタンクだと掃除が圧倒的にラクというメリットがあります。
ポリプテルス・セネガルスは基本的に丈夫な魚なので、水温や水質にはうるさくありません。
という一般的な熱帯魚の環境を保てれば十分です。
ただ食べ残しやフンなどを放置しておくと水質が悪化したり、pHが極端に酸性に傾いたりする危険があるので注意しておきましょう。
ポリプテルス・セネガルスは特に照明を使って色揚げする魚ではないので、特別な照明は必要ありません。
私の場合は照明無しで飼育しています。
無駄に照明をつけるとコケが増えやすいというデメリットもあります。
ポリプテルス・セネガルスは肉食魚なので、餌も肉食魚専用のものを与えましょう。
我が家のセネガルスに与えているのは、主に人工飼料です。
基本はひかりクレストのミニキャット。
ミニキャットは粒が小さいので食べやすく、沈下性なので底棲魚のポリプテルスに合っている人工飼料ですね。
次に浮上性のひかりクレストカーニバル。
水面に浮いているので見つけるまでに時間がかかりますが、嗜好性が優れているので食いつきが良いです。
基本的にはこれらの人工飼料を与え、たまに冷凍赤虫やミナミヌマエビなどの生き餌を与えています。
ポリプテルス・セネガルスはどんな餌でもだいたい食べてくれますから、餌食いで悩むことはないでしょう。
大食漢なので、たくさん与えればそれだけ食べてしまいます。
ただフンの量が多くなったり水質悪化につながるので、一回あたりひとつまみくらいが適量でしょう。
ちょっと少ないかな?というくらいの量がちょうど良いです。
餌を与える頻度は一日あたり1〜2回と標準的で良いと思います。
私の場合、幼魚期は成長を促すために一日あたり2回与えて、成魚になったら一日1回にしています。
ポリプテルス・セネガルスは肉食魚の中では混泳しやすいと一般的には言われています。
私もそれを信じて混泳を試してみてはいるのですが、なかなか難しいところですね。
という4匹で混泳させたところ、まずブルーデンプシーが死にました。
ブラントノーズガーが上層を泳ぐ魚なのでセネガルスと生息域が違うのですが、しばらくするとセネガルス2匹に攻撃されて星になってしまいました??
セネガルス2匹だけになってからは仲良くやっているように見えたのですが、しばらくすると突然プラチナがアルビノを攻撃しはじめ、あっという間に死んでしまいました。
残ったのはプラチナのセネガルス一匹のみ。
ある程度の期間に混泳がうまくいったように見えても、ある日突然襲いはじめるのが肉食魚の怖さですね。
ということで事故をなるべく避けたいのならば、単独での飼育が無難でしょう。
もし混泳させたいのであれば、
といったことに気をつけてチャレンジしてください。
セネガルスはとても丈夫な魚なので、他の熱帯魚と比べても病気にかかるリスクは小さいです。
野生から採取された個体の場合はポリプティという寄生虫があるケースが多いのですが、セネガルスの場合はほとんどブリード個体なので、あまり心配しなくても良いかと。
導入時の水合わせに気をつけたり、こまめな水換えで水質を維持するといった基本的なことをしていれば十分だと思います。
まとめ|ポリプテルスセネガルスは肉食魚飼育の入門に最適
ここまで見てきた通り、ポリプテルス・セネガルスはアクアリウム初心者にも飼いやすく、肉食魚飼育の入門としても最適です。
基本的な飼育のポイントとしては、
といったことを押さえておけば大丈夫です。
小型熱帯魚のような派手さはないですが、ポリプテルス・セネガルスが餌をバクバク食べる姿は愛らしくて迫力満点ですよ。