アフリカンシクリッドの飼い方|水質や混泳に注意しよう

アフリカンシクリッドの飼い方|水質や混泳に注意しよう

アフリカンシクリッドの飼い方
シクリッドの仲間というと最近では、ラミレジィやアピストグラマなどの南米原産の種類が人気ですよね。
そんな中で影が薄いのがアフリカンシクリッドです。
雑誌などでも紹介されることが少ないアフリカンシクリッドですが、海水魚のような鮮やかなカラーで美しい熱帯魚なのです。
ここではそんなアフリカンシクリッドの代表的な種類や、飼育のポイントなどを解説してきましょう。

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あわせて参考にしてください。

アフリカンシクリッドの種類や飼育のポイント

ここではアフリカンシクリッドについての簡単な紹介と、お迎えするにあたっての重要なポイントを説明していきます。

アフリカンシクリッドとは

アフリカンシクリッドとは
アフリカンシクリッドはその名の通り、アフリカ原産のシクリッドのこと。
淡水魚ながら鮮やかな体色を持っていて、見栄えが良いのが特徴です。
キレイな海水魚を飼ってみたいけどちょっとハードルが高い、といった人はアフリカンシクリッドを候補に入れてみてください。

アフリカンシクリッドの種類

ムブナ ハプロクロミス
アフリカンシクリッドは非常に多くの種類が存在し、WWFの調査によればマラウイ湖原産のものだけでも500種類が存在するそうです。
そんな多種多様なアフリカンシクリッドの中でも、アクアリウムで人気の高いムブナとハプロクロミスについて説明していきましょう。

ムブナ(Mbuna)

ムブナは最大体長が10センチ程度と小型なアフリカンシクリッドで、比較的安価に購入できます。
様々な体色を持つ改良種がブリードされていて、非常に美しいですね。
ムブナの仲間の代表的なものとして、以下のようなものがあります。

  • ラビドクロミス・カエルレウス(レモン・シクリッド)
  • シュードトロフェウス・クラブロ(カメレオン・シクリッド)
  • メラノクロミス・アウラートゥス(イエローストライプ・シクリッド)

ムブナは熱帯魚用の餌なら何でも食べてくれる雑食性ですが、野生化では藻類を食べる草食性です。
したがって生き餌などの動物性の餌は控え目にしたほうが無難でしょう。
またムブナ類はいずれも丈夫で飼いやすい魚ですが、成長とともに気が荒くなってくることに注意しましょう。
必要に応じて隔離したり、隠れ家を用意するといった対策をしてあげましょう。
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ハプロクロミス(Haplochromis)

ハプロクロミスは、最大体長が20?30センチ程度になる中型のアフリカンシクリッドです。
ムブナより大きくなるので注意が必要ですが、攻撃性はムブナより穏やかなものが多いですね。
ハプロクロミスの仲間で代表的なものは以下の通り。

  • アーリー(スキアエノクロミス・フライエリィ)
  • ニンボクロミス・ベネスタス
  • ニンボクロミス・リヴィングストニー
  • アルトランプロローグス・コンプレシケプス
  • キフォティラピア・フロントーサ

比較的穏やかな性格と言っても、魚食性で縄張り意識が強いので混泳には注意してください。
特にアーリーは攻撃的な性格として有名です。

アフリカンシクリッドを飼育するときの重要なポイント

アフリカンシクリッドを飼育するときの注意点としては、

  1. 弱アルカリ性の水質を好む
  2. 攻撃的な性格なので混泳は注意
  3. 餌の与え過ぎはNG

特に水質に関しては一般的な熱帯魚と異なるので、特に気をつけましょう。

アフリカンシクリッドの好む環境|弱アルカリ性の水質

ここではアフリカンシクリッドが他の熱帯魚と異なる水質を好む点を中心に解説してきます。

弱アルカリ性の水質を保つ

一般的な熱帯魚や水草をレイアウトする水槽の場合、水質を弱酸性?中性に保つというのが常識です。
しかしアフリカンシクリッドの場合は例外的に、中性?弱アルカリ性を好むという性質があります。
pH7.0?8.0の間が弱アルカリ性と呼ばれる水質です。
なぜアフリカンシクリッドが弱アルカリ性を好むかと言うと、原産地であるアフリカのマラウイ湖やタンガニーカ湖の水質が弱アルカリ性だからです。
一般的な弱酸性の水質でアフリカンシクリッドを飼育すると、元気がなくなったり発色が悪くなったりという弊害が出るリスクがあります。

弱アルカリ性の水質を作るのに手軽な方法は、サンゴ砂やカキ殻を入れること。
特にサンゴ砂は水槽内に直接入れてもキレイですし、より海水魚に近いイメージが作れるのでオススメです。
もし水槽内を暗めのトーンにしたい場合は、底床を大磯砂にしてフィルター内のろ材としてサンゴ砂を入れる方法が良いでしょう。

水温

アフリカンシクリッドが好む水温については25℃?28℃程度で、一般的な熱帯魚と同様です。

アフリカンシクリッドの飼い方

ここではアフリカンシクリッドの飼育に当たって餌や水換え、必要な水槽サイズなどについて説明していきます。

餌はどんなものでもOK

一般的にアフリカンシクリッドはどんな餌でもよく食べるので、餌付けに困ることはありません。
熱帯魚用に市販されているフレーク餌を与えていれば問題ないでしょう。
ただムブナ類の場合もともと藻類を食べる草食性ということもあり、動物性の餌を与えすぎると消化器系の不具合を起こすリスクがあります。
生き餌などをあげすぎないように注意してください。
プレコ用の餌など植物性原料が多い餌のほうが安心です。
また餌が足りなくなると縄張り争いが起こりやすくなるので、こまめに少量の餌を与えて満腹状態を保つことをオススメします。

水換えはこまめに

アフリカンシクリッド飼育では縄張り争いを弱めるために、あえて過密飼育にすることがあります。
その際に注意するのが水換えの頻度について。
魚の数が多いと当然ながら、水の汚れるスピードも速くなります。
いくら強力なろ過フィルターがあっても、こまめな水換えは欠かせません。
一般的な熱帯魚飼育では一週間に一度の水換えですが、アフリカンシクリッドの過密飼育では3日に一度程度の水換えをすると良いでしょう。
一度に換える水量は水槽全体の1/5程度にして、水換え頻度を増やしてやるほうがトラブルが少ないです。

水槽サイズは60センチ以上を推奨

アフリカンシクリッドを飼う際の水槽サイズは、60センチ以上が適切でしょう。
全般的に活動量が豊富で成長スピードも早いので、できれば90センチ水槽で余裕をもって飼ってあげたいところ。
水槽が大きい方が水質悪化しにくいというメリットもあります。

ろ過フィルターは上部・外部

アフリカンシクリッドは食べる量が多く、水を汚しやすい種類です。
したがってろ過フィルターもろ過能力の高い上部フィルターや外部フィルターを使いましょう。
複数のフィルターを組み合わせるのもオススメです。

アフリカンシクリッドの病気

アフリカンシクリッドは基本的に丈夫な魚なので、あまり病気については心配する必要はありません。
ただ前述の通り動物性の餌をあげすぎると消化器系の病気である腹水病などを起こすリスクがあります。
また熱帯魚全般に言えることですが、白点病に注意してください。
特にお迎えするときの水合わせは慎重に行っておきましょう。

アフリカンシクリッドの繁殖

アフリカンシクリッドの多くはマウスブルーダーと呼ばれ、メスが卵を口の中で育てるという性質を持っています。

繁殖をさせる場合は産卵したメスを隔離してあげないと、他の魚から攻撃されたり稚魚を食べられたりします。
ずっと口の中で育てるのはメスの負担にもなるので、できれば卵を吐き出させて稚魚だけを隔離水槽で育てるという方法がベターです。

まとめ:アフシクはアクアリウム初心者にもオススメ

現在はそれほど知名度がないアフリカンシクリッドですが、丈夫で美しい熱帯魚としてオススメできます。
ただ繰り返しになりますが、

弱アルカリ性の水質を保つ
混泳時の縄張り争いに注意
餌のあげすぎはNG

といったポイントに注意してお迎えしてくださいね。