豪快にエサを食べる肉食魚に憧れるアクアリストは多いですよね。
しかし大型になる肉食魚の場合、巨大な水槽や設備が必要になります。
一般家庭では現実的ではありません。
ここではそれほど大きくならず、かつ豪快な捕食を見せてくれるオスカーの種類や飼育方法について解説していきます。
ポリプテルス・セネガルスと並んで、肉食魚飼育の入門編としても最適ですよ。
オスカー(Astronotus ocellatus)は、南米ペルーやコロンビアなどのアマゾン流域に生息する熱帯魚です。
その大きな体と鮮やかな色から、世界中のアクアリストから愛される存在となっています。
オスカーは成長すると30cm以上にもなることがあり、飼育可能な熱帯魚としては中型の部類ですね。
寿命は10年程度と言われています。
オスカーは肉食性であり、野生では小型の魚や甲殻類、昆虫などを捕食しています。
水中に横たわった木の枝や葉っぱの下など、隠れる場所を好む傾向があります。
オスカーは、観賞用として様々な品種が存在します。
世界中で品種改良やブリードがされているため、流通量も多く入手しやすい肉食魚ですね。
以下は、オスカーの代表的な品種の一部です。
これらの品種は、体色や模様が異なり、オスカーの飼育をより楽しむことができます。ただし、品種によっては、体形や色が特定の個体に偏りがあるため、ブリーダーによる繁殖による個体選択が行われることがあります。オスカーの飼育に興味がある場合は、自分が飼育したい品種を選び、適切な飼育方法を学ぶことが大切です。
-【楽天市場】(熱帯魚 生体)レッドオスカー (約3-4cm)(1匹)【水槽/熱帯魚/観賞魚/飼育】【生体】【通販/販売】【アクアリウム/あくありうむ】:ネオス 楽天市場店より引用-
レッドオスカーは、その名の通り、赤い体色が特徴的な品種です。レッドオスカーは、オスカーの代表的な品種の一つであり、観賞用として非常に人気があります。体色は赤色がかったオレンジ色で、背中から腹部にかけて淡い色合いとなっています。
レッドオスカーは、通常のオスカーよりも性格が穏やかで、比較的飼育しやすいと言われています。また、成長すると大型の魚になるため、十分なスペースを確保し、水質管理や餌の与え方などを適切に行うことが必要です。
-タイガーオスカー(1匹) | チャームより引用-
タイガーオスカーは、体に縞模様が入った品種で、オスカーの代表的な品種の一つです。タイガーオスカーの縞模様は、黒や暗い茶色の色合いがかった縞が入っていることが多く、体色は黒や茶色を基調としています。
タイガーオスカーは、レッドオスカーに比べると性格がやや攻撃的で、成長すると大型の魚になるため、適切な飼育環境と管理が必要です。
-アルビノタイガーオスカー(1匹) | チャームより引用-
アルビノオスカーは、その名の通り、体色が白く、目が赤い品種です。オスカーの代表的な品種の一つであり、レッドオスカーやタイガーオスカーと同様に人気があります。
アルビノオスカーは、比較的攻撃的な性格を持ち、成長すると大型の魚になるため、適切な飼育環境と管理が必要です。また、白い体色のために、水槽内の照明や周囲の色彩が影響するため、注意が必要です。
ちなみにベースとなる品種によって、
といった名前で流通していることが多いです。
いずれもアルビノという特徴は共通していますが、ベースとなる色・模様の入り具合などに違いがありますね。
レッドタイガーオスカーは、タイガーオスカーとレッドオスカーを掛け合わせた品種で、比較的新しい品種です。
体にはタイガーオスカーの縞模様が入り、体色は赤味がかったオレンジ色となっています。
レッドオスカー同様、穏やかな性格を持つため、初心者でも飼育することができます。
まだそれほど流通していないことから、価格はやや高めです。
ゴールデンオスカーは、その名の通り、体色が黄金色をしている品種です。
その美しい姿から以前は非常に人気がありましたが、最近では見かけることの少ないレア種になりました。
ゴールデンオスカーは、穏やかな性格を持ち、比較的飼育しやすいと言われています。体色が美しいため、観賞用として人気がありますが、体色の変化には個体差があるため、ブリーダーによる選別が行われることがあります。
-ルビーレッドオスカー(1匹) | チャームより引用-
ルビーレッドオスカーは、その名の通り赤い体色が特徴的な品種です。ルビーレッドオスカーは、ブリーダーによる交配によって作られた品種で、一般的なレッドオスカーよりも鮮やかな赤色をしています。
ルビーレッドオスカーの体色は、体の上部が橙色、下部が赤色を基調としており、背中には暗い色の斑点が入っています。また、鰭も赤い色をしていることが多く、全体的にとても美しい見た目をしています。
ルビーレッドオスカーはまだ新しい品種ながら人気が高く、ショップでの価格も他の品種より高めに設定されているようですね。
ルビーレッドオスカーは、穏やかな性格を持ち、レッドオスカーやレッドタイガーオスカーと同様、初心者でも飼育することができます。
ルビーレッドオスカーは、その美しい見た目から観賞用として人気がありますが、個体によって色の濃淡に差があるため、ブリーダーによる選別が行われることがあります。また、ルビーレッドオスカーは、他のオスカーとの交配によって作られた品種であるため、健康面での問題がある場合もあります。そのため、信頼できるブリーダーから購入することが重要です。
ワイルドオスカーとは、野生のオスカーを意味する言葉です。
一方、養殖されたオスカーはファームオスカーと呼ばれます。
野生のオスカーは、南アメリカやアマゾン川流域などに生息しており、その名の通り自然に生息しているオスカーのことを指します。
採取された地域により、
といった名前が付けられて販売されることが多いですね。
ちなみに私はコロンビア産ワイルドオスカーを飼育しています。
ワイルドオスカーは、自然界に生息しているオスカーであるため、個体差があり、体色や斑点の入り方などにバラつきがあります。また、生活環境によっても、野生のオスカーは成長スピードや体格などが異なる場合があります。
価格は産地や体長などでバラつきがありますが、ブリード種よりは高額で取引される傾向にあるようですね。
ワイルドオスカーを飼育する場合、野生のオスカーであるため、病気や寄生虫に感染するリスクがあるため、慎重に選択する必要があります。
信頼できるショップで購入するほうがよいでしょう。
オスカーの飼育環境にはいくつかの要件があります。
上記の画像は私が自宅でワイルドオスカー一匹を飼育している水槽です。
水槽 |
GEX マリーナ900 90×45×45cm |
---|---|
フィルター | コトブキ工芸 スーパーターボゼットプラス900 |
ヒーター | GEX セーフカバーナビパック 300 |
サブフィルター | フィッシュレット |
スペックは上表の通りですので、参考にしてください。
まず、水槽のサイズですが、最低でも90センチ規格水槽(幅90センチ・奥行45センチ・高さ45センチ)が必要です。
成魚になると体長30センチ程度になる上、遊泳力の高い魚なのでスペースに余裕を持っておきたいですね。
複数匹を混泳させる場合は120センチ規格水槽が良いでしょう
また、オスカーは肉食魚かつ大食らいなので、水が汚れやすいです。
適切なフィルターを備えていることが必要です。
ろ過能力の高い上部フィルターや外部フィルターがオススメです。
またフィッシュレットなど汚れを回収してくれるサブフィルターを併用するのも良いでしょう。
オスカーは繊細な魚ではないため、やや汚れた水でも生存できます。
しかし前述のとおり水を汚しやすい魚なので、定期的な水替えとフィルターのメンテナンスを行い、水質の安定化を心がけることが重要です。
水換えは最低でも週一回、できれば3日に一回程度行うようにしましょう。
水温 | 24〜28℃程度 |
---|---|
PH値 | 6.5〜7.0 |
硬度 | 5〜15 dGH |
と、水質そのものは一般的な熱帯魚と同様です。
水槽内に敷く底床については、何も敷かないベアタンクが良いでしょう。
フンなどの掃除がやりやすいからです。
もし大磯砂などを敷くとしても、薄く敷くだけにとどめたほうが無難ですね。
水槽内に石や流木、人工の植物などを入れるとオスカーが隠れる場所や遊ぶ場所として利用することができます。
ただオスカーが暴れたときに怪我をするリスクもあるので、水槽内に入れるものは最小限にしておきましょう。
オスカーは肉食性であり、小型の魚(メダカなど)やエビなどを好みます。
ただし栄養バランスが偏らないように、生餌を与えることは避けるようにしましょう。
人工飼料については、市販されているペレットやグラニュー状のものを与えることができます。ただし、種類によって栄養価や成分が異なるため、餌の種類や量、頻度を調整する必要があります。また、餌の種類を変えることで、オスカーの食欲を促進することもできます。
オスカーは人工餌でも選り好みせずに食べてくれるので、基本的には栄養バランスに優れた人工餌をメインに与えるほうが無難です。
人工餌は水を汚しにくいというメリットもあります。
一般的に市販されている人工餌では、ひかりクレストカーニバルがオススメです。
また、過剰な餌付けは肥満や消化不良などの健康問題を引き起こす可能性があるため、適量を与えるようにしましょう。
オスカーの成長段階に応じた適切な餌の量と頻度を確認することが重要です。
成魚になると1日に1回から2回程度、すぐに食べ切れる量を与えるのが良いとされています。
また、オスカーは食欲旺盛なので、餌を与える際には多少の食べ残しが出てしまうことがあります。
そのため、残った餌は取り除いておくことが必要です。
オスカーの繁殖は、比較的容易に行うことができます。
まず、オスカーの性別を見分けるためには、オスカーの成長によって現れる特徴があります。メスはオスカーの体形が丸く、腹部が膨らんでいる傾向があります。また、オスカーの場合は、成長によって頭部が大きくなり、体が厚くなっていく傾向があります。
繁殖行動は、オスカーの体の色が濃くなることや、互いに追いかけたり、威嚇しあったりすることで認識することができます。オスカーは底に穴を掘って、そこに卵を産み付けます。産卵後、オスカーは卵を守るために穴の中に入り、メスが卵に触れることを許しません。孵化後、オスカーは卵から孵った稚魚を穴から出し、周囲を警戒しながら育てます。
人工的に繁殖する場合は、特定の温度や水質条件を整える必要があります。また、適切な飼育環境や餌、水質管理を行うことで、繁殖の成功率を高めることができます。
オスカーは、健康な飼育環境であっても、病気にかかることがあります。代表的な病気には、白点病や水カビ病などがあります。また、過剰な餌付けや不適切な水質管理などが原因で消化不良や肥満などの健康問題が発生することがあります。
病気にかかった場合は、早期に発見し適切な治療を行うことが必要です。病気の早期発見には、オスカーの日常の様子や行動、体表の変化を観察することが大切です。治療方法には、薬浴や水槽内に薬剤を投与する方法などがあります。
予防については、適切な飼育環境の整備や、定期的な水質管理やメンテナンスが必要です。また、健康状態を維持するために、適切な餌の与え方や運動を促す遊具を設置することも有効です。
以上、オスカーの生態、飼育環境、餌と与え方、繁殖、健康管理についてご紹介しました。オスカーは大きな体格や鮮やかな色が魅力的な熱帯魚ですが、健康管理には注意が必要です。十分な知識を身につけ、適切な飼育環境を整えて、楽しいアクアリウムライフを送ってください。